SFというジャンルは全くの未知だったけど、よく「これは読むべき!」というようなアツいプッシュを見かけたので気になっていた『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。
同時に「ネタバレ厳禁」とも聞いていたので、前情報は全くなしに読み始めた。
本記事は『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の内容に触れています。完全なネタバレは避けているつもりですが、未読の方はお気をつけください。
物語は、主人公・グレースが見知らぬ場所で目覚めるところから始まる。
彼は記憶を失っており、自分の名前も忘れてしまっている状態だった。周りを探索するうちに、断片的に蘇る記憶。彼は今、自分が宇宙船の中にいることを思い出す。
物語は、少しずつ蘇る彼の地球での記憶と、現在の宇宙での活動が交互に進行する。
地球を救うという重い使命を背負ったグレースは、遠く離れた宇宙で地球外生命体と接触する……
まず断っておくが、わたしは難しい部分は完全に流し読みしてしまった。
地球を脅かすアストロファージや宇宙船・ヘイルメアリーのことなどが詳しく描写されているものの、ド文系頭のわたしには少々難しすぎた。
しかし、それでもこの作品を楽しめたのはストーリーのおもしろさに他ならない。徐々に明らかになるグレースの記憶と、宇宙での予想もつかないアクシデントは、スリリングで最後まで全く飽きない。
そしてこの物語の核は、何といっても異星人・ロッキーとの交流だろう。その存在が明らかになったとき、まさかの展開にグレースと同じくらいの衝撃を受けた。なるほど、物語はそう進むのかと。
彼らエイディリアンの母星も地球と同じ危機に直面していると判明し、グレースとロッキーは協力関係となる。
エイディリアンは、蜘蛛のような体を持っている。岩のようにゴツゴツした甲殻からは、5本の腕。大きさはゴールデンレトリバーくらい。目を持たず、音で周囲を”見て”いる。
この、人類とは全く異なる姿の異星人であるロッキーとの友情が……バディものが大好物のわたしにとってたまらないものだった。
お互いの言語を理解し合うところから始まり、同じ目的を持った者どうし力を合わせて問題に取り組む。そうしているうちに、ただの協力者にとどまらない絆が芽生える。危険を顧みずに相手を助けるシーンでは、思わず胸が熱くなった。
最後までページを繰る手が止まらず、気づいたら一気に読破してしまった。
個人的にはラストが全くの予想外で、良い意味で期待を裏切られた。この物語の終着点がこれでよかったと、グレースとロッキーのバディに心躍らせたわたしは思う。
SFというジャンルに苦手意識すらあったはずだが、確かに『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は傑作だった。熱中する読書体験をしたいときにぴったりな作品だと思う。
映画も期待大。この作品がどう映像化されるのか、楽しみ、楽しみ、楽しみ!

